「WEB3.0ってなに?」
「WEB3.0を知りたいけど専門用語はわからない」
「WEB3.0のメリットやデメリットは?」
そんな悩みを解決します。
この記事では「優しいWEB3.0の解説」をします。専門用語がわからなくても、WEB業界に詳しくなくても最後まで読めるように記事を作成しました。
過去のWEBについての知識も増やせます。
WEB3.0ってなに?
「世界はWEB3.0に移行している」と聞いたことがあるかもしれません。
しかし、WEB3.0が何なのかわかりにくいですよね。
WEB3.0とは、一言で言うと「分散型のインターネット」と表現できます。
まだまだ新しい概念なので、実は定義が存在していません。
そこで、今回の記事では過去のWEBを知ることでWEB3.0がどういったものか理解できるように構成しています。
歴史から紐解く振り返るWEB1.0/WEB2.0
「WEB3.0の世界がやってくる」ということは、過去にはWEB1.0やWEB2.0があったということです。
日常生活の中では、WEB1.0などという表現を使用しないため、馴染みがないと感じる人も多いでしょう。
それぞれの世界を簡単にまとめます。
WEB1.0の世界
WEB1.0の世界は以下のようなものです。
- 情報の発信者と閲覧者が固定された時代
わかりにくいので、例を出して説明します。
日本におけるインターネットの始まりは、1984年といわれています。
この時期には個人の家庭でインターネットなど、夢のまた夢でした。
大手企業がインターネットを導入し始め、1992年に日本で初めてのインターネットプロバイダ(ISP)がサービスを開始します。
この時期のインターネットは「ホームページを閲覧するだけ」というものでした。
つまり、情報の発信者は「発信のみ」しかできず、閲覧者は「閲覧のみ」しかできなかったのです。
この時代をWEB1.0と読んでおり、インターネット時代の幕開けというわけですね。
WEB2.0の世界
続いてWEB2.0の時代が来るわけですが、明確にいつからと定まっているわけではありません。
およそ2000年頃から、NTTやソフトバンクなどが電気通信事業を始めます。
「フレッツADSL」や「yahoo!BB」などが有名でした。
この時期になると、「Wikipedia(ウィキペディア)」の日本語版が登場し、人々が情報を書き込むことができるようになりました。
インターネット上で「発信者」と「閲覧者」の区別が無くなった時代です。
中でもブログやSNSの登場は、人々の生活を大きく変化させたものでしょう。
FacebookやTwitter、Instagramだけではありません。
mixi(ミクシィ)やアメーバブログ、もちろんLINEやYouTubeの登場もWeb2.0の時代で起こった出来事です。
つまり、あなたのように「情報を発信することも、閲覧することもできる時代」がWEB2.0の世界です。
2022年現在では、まだ個人はWEB2.0の世界にいると考えて間違い有りません。
WEB3.0が生まれた背景
そしてWEB3.0の時代がやってきました。
WEB3.0が生まれるのには、もちろん理由が存在します。
2004年にmixi(ミクシィ)がブログサービスを開始し、2007年にはYouTubeの日本語版がサービスをはじめました。
そして2014年には、現在の主流であるInstagramがサービスを開始します。
しかし、これらのサービスを利用するために、アカウントが必要なのは言うまでもありません。
さて、あなたのアカウントはどのように作っているでしょうか。
以下のような手順でアカウントを作成したり、各サービスにログインしているはずです。
- Googleに個人情報を入力してGoogleアカウントを作成
- フェイスブックに個人情報を入力してアカウントを作成
その他サービスには、メールアドレスやGoogleアカウント・フェイスブックアカウントでログインしているのではないでしょうか。
もちろんサービスは多岐にわたるため、Googleやフェイスブックのアカウントを使用しない場合もあるでしょう。
その場合、個人のメールアドレスなどを入力してアカウントを作成しているはずです。
アプリやサイトにログインする際に、「yahooメール」「Googleメール」を使用している人は多いのではないでしょうか。
実はこのように、個人情報を含んだアカウントが管理されている場所があります。
それがGAFAMと呼ばれている5つの会社です。
世界を牛耳るGAFAM
GAFAMとは、IT企業で有名な5つの会社(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の頭文字を取ってつけられた造語です。
読み方は様々で、以下のものがあります。
ガーファム、ビッグテック、テックジャイアント、ビッグファイブ。
一般的にはガーファムと呼ばれることが多いようです。
2020年5月、日本経済新聞が驚くべき内容を報じました。
「GAFAMの時価総額が計560兆円となり、東証1部2170社の合計を上回った」というものです。
つまり、日本の会社が束になってもGAFAMには勝てないほど、影響力があることを意味します。
極端な話、GAFAMが本気を出せば日本企業を全て買い占められるということです。
もちろんGAFAMは日本企業を買い占める動きなどしていませんが、驚異を感じるのは筆者だけではないはずです。
個人レベルで太刀打ちできるはずもなく、世界中の個人情報の全てがGAFAMによって支配されていると考える人もいるかもしれません。
実はそのとおりで、2022年現在ではGAFAMに太刀打ちできる企業は、日本はおろか世界中を見渡しても存在していないのです。
権力が集中することで、もちろん良い面もあったかもしれません。
しかし、優秀なハッカーなどがサイバーテロを起こした場合、世界中が大混乱するのは目に見えています。
このような問題を解決するために、WEB3.0の技術が研究され、ついに世の中が変化しようとしているというわけです。
つまり、WEB3.0の世界というのは、GAFAMに集中した権力(個人情報など)を分散することを目的としています。
Web3.0により生まれたサービス
Web3.0に移行することで、誕生したサービスがあります。
- DeFi(ディーファイ)
- NFT(エヌエフティー)
- Metaverse(メタバース)
「DeFi(ディーファイ)」とは、分散型金融と訳されます。資産の取引を金融機関を介さずに、手数料などを節約できるサービスです。
「NFT(エヌエフティー)」とは、後ほど説明するブロックチェーン技術を活用し、デジタル上で唯一無二である証明ができるものです。画像や音楽、動画などに利用されます。
「Metaverse(メタバース)」とは、仮想空間でアバターを作成して交流できる空間のことです。オンラインゲームと異なるのは、交流がメインでリアルな生活環境と酷似する点です。
ブロックチェーン技術の発達(ブロックチェーンとは)
GAFAMは過去の研究により、世界中の個人情報を管理できるだけのセキュリティがありました。
しかしセキュリティ事故はつきもので、2022年現在でも、大きな問題があります。
今後はサイバーテロなどで驚異にさらされる可能性も否定できません。
そこで、ブロックチェーン技術が研究されていました。
ブロックチェーン技術とは、個人レベルで過去の履歴を暗号技術によって紐づけすることで、正確な取引履歴を維持する技術です。
あなたが過去に閲覧したホームページや、作成したアカウントなどが全て鎖のように結びつくわけです。
インターネットを利用し始めてから、数々の検索や閲覧をしてきたはずです。全ての履歴が紐付けられるとすれば、あなたの行動は他の誰かにコピーされにくいものです。
1つでも違いがあれば、暗号技術により個人を特定できません。
ブロックチェーン技術がさらに発達することで、あなたのインターネットにおける履歴全てが、個人情報として扱われるのです。
わかりやすい例えを述べれば、「昨日あなたが行動したことと、全く同じ行動した人がいるか?」ということです。
もちろん「全く同じ行動」など不可能で、あなたの行動はあなただけが行った結果になります。
活用することで個人情報保護ができるわけですが、同時に個人を特定する技術でもあります。
WEB3.0によるメリット・デメリット
WEB3.0の世界は、ブロックチェーン技術により個人を特定できる(個人を保護する)世界です。
メリットがある反面、デメリットも想像できます。
WEB3.0によるメリット
WEB3.0によるメリットは、主にセキュリティの強化です。
簡単にまとめると、以下のものが挙げられます。
- セキュリティが強固になる
- 世界中で制限なくサービスを受けられる
- 企業と直接取引できる
セキュリティが強固になる
既に述べたように、ブロックチェーン技術が確立されれば、あなたは個人レベルで強固なセキュリティをもっているのと同じです。
あなたと全く同じ過去をもっている人がいないのと同様に、全く同じ履歴をもった人も存在しません。
全てが暗号化されつつ、紐付けられます。あなた以外に、あなたのセキュリティを破ることはできなくなるでしょう。
これまでの「アカウント乗っ取り」等の起こっていたものが、全て消え去る世界です。
世界中で制限なくサービスを受けられる
日本人は感覚が薄いと思いますが、世界に目を向ければインターネットを自由に利用できる国はまだ少数です。
例えば中国では、GoogleやTwitter、YouTubeなどの閲覧が禁止(もしくは制限)されています。
ロシアや北朝鮮など、社会主義国ではアメリカの企業自体を制限している場合もあります。
WEB2.0の世界では、政府の制限により個人が自由にインターネットを利用できなかったのです。
しかし、WEB3.0の世界になると、GAFAMをはじめとする中央集権的なサーバーが存在しません。
政府が管理するというのも、1つのサーバーに権利が集中しています。
WEB3.0の世界では、権利が集中できなくなります。
そのため、個人が政府の制限にとらわれず、世界中にアクセスできるようになるのです。
企業と直接取引できる
WEB3.0の世界では、中央で管理することがなくなります。
そのため、企業とユーザーが直接取引できるようになるでしょう。
WEB2.0の世界では、一定の企業などがユーザーの情報を管理していました。
例えばネットバンク(ネット上の銀行)などがわかりやすいのではないでしょうか。
あなたは銀行にお金を預け、買い物をしたい場合などは銀行を通じて出金します。
クレジットカードなどでは、あなたはカードを利用するだけで、クレジット会社と銀行が取引してくれていますよね。
しかし、WEB3.0の世界では、仲介する銀行やクレジット会社を通すことができません。
ブロックチェーン技術により、銀行すらあなたの個人情報にアクセスできなくなるのです。
結果として、あなたは商品を販売している企業と直接取引することになります。
多くの企業は仲介することでマージン(手数料)を手に入れていますが、それができなくなるため世界中での劇的な変化が起こるのは予想できます。
WEB3.0によるデメリット
メリットで挙げた「企業と直接取引」は、デメリットでもあります。
これまで企業が負担していたものを、個人レベルでやり取りしなければいけません。
もちろん個人の負担が大きくなり、特に年配の人などは苦労するに違いありません。
ただWEB3.0の時代がくるのは、もう避けられません。
そのため、あらかじめデメリットを理解しておくようにしましょう。
デメリットとして挙げられるのは以下です。
- 個人情報や行動履歴が自己管理になる
- サポートが受けづらい(セキュリティ強固のため)、その他サービスがまだ未対応
- イーサリアムネットワークにセキュリティを提供するためのガス代が高い
それぞれ説明していきましょう。
個人情報や行動履歴が自己管理になる
前述の銀行取引のように、あなた以外に「あなたの情報を管理できない」のがWEB3.0時代の特徴です。
銀行や政府すら、あなたの個人情報にアクセスできないかもしれません。
もちろん様々な対策を講じるでしょうが、個人情報は自己管理になっていくと予想されます。
預金残高やマイナンバーなど、数々の個人情報が紐づけされています。
インターネットでアカウントを作成する必要はなく、あなたの過去履歴がログインするために必要になります。
他の誰からも情報を抜き取られませんが、自分がログイン方法を忘れた場合などに困ってしまう可能性もあるでしょう。
サポートが受けづらい(セキュリティ強固のため)
現在、マージン(手数料)を取って利益をあげている企業が少なくなっていくでしょう。
銀行などの例で紹介したように、あなたの個人情報にアクセスできないためサポートできないのです。
結果的にマージン(手数料)を取る作業を個人に任せるしかなくなり、企業の存在価値がなくなります。
また、WEB2.0の世界は「ログインパスワードを忘れた」としても、サポートしてくれますよね。メールアドレスや誕生日などを、企業に問い合わせれば答えてもらえます。
しかし、これらのサポートもなくなる可能性があります。
企業がサポートしてくれるのではなく、個人が紐づけされた履歴を元にパスワードなどを検索する時代です。
もちろん個人の負担が増えるなどが予想されます。
イーサリアムネットワークにセキュリティを提供するためのガス代が高い
ガス代とは、処理の優先度を決めるための取引手数料のことです。
取引が処理される優先順位として、各々のユーザーが支払ったガス代の高い順で取引の処理が行われます。
ブロックチェーンの取引には、マイナーというブロックチェーン上のデータが正しいことを証明する作業をする人たちへの手数料が必要で、報酬としてガス代を支払います。
イーサリアムブロックチェーンは利用者が多いことからこの競争率が高くなってしまうため、ガス代が高騰しているのです。
まとめ:WEB3.0は権力分散型インターネット
WEB3.0の世界は、これまでGAFAMに集中していた権力を個人に分散するものです。
そのため「権力分散型インターネット」と呼ばれています。
完全にWEB3.0の時代がくるには、ブロックチェーン技術の発展が必須です。
Web3.0の時代はこれからです。どんどん新しいサービスが増えてくると予想されますので、随時最新情報を手に入れていきたいです。お楽しみに。